就職活動が本格化してくると、多くの学生がぶつかるのが「エントリーシート」と「面接」。
この2つの対策です。
すでに面接を経験した、あるいはこれから控えている人の中には、
こんな疑問を感じたことがあるのではないでしょうか?
「ESに書いたこと、なんで面接でまた聞かれるの?」
「ESと面接、同じことを話すべき?違う話にすべき?」
こうしたモヤモヤは、ESと面接の“繋がり”を理解することでスッキリします。
この記事では、社会人としての視点から就活の構造を紐解き、
面接を見据えたエントリーシート設計の考え方を整理します。
まだESを書き始めていない人はもちろん、すでに面接に進んだ人にとっても、
「伝え方」や「見直し」のヒントが得られる内容です。
就活生にとってのエントリーシート|目的と面接での活かし方
就職活動を進めるうえで、多くの人が当たり前のように取り組んでいるエントリーシート。
慣れてくると作業のように当たり前にこなせるようになってくるものの、
その“目的”をきちんと意識できている人は意外と少ないものです。
しかし実は、この“目的”を理解することこそが、面接との繋がりを理解するために重要。
そこでこの章では、まず就活生にとってのESの役割と、面接との関係性について整理していきます。
エントリーシートと面接の目的|人物像が伝わることが最重要
まず、採用面接とはどんな場なのでしょうか?
企業の立場から見ると、それは「自社にマッチした人材を見つける」ための場。
その判断材料として、就活生の人物像をできるだけ正確に把握することが必要になります。
そのために使われるのが、エントリーシートであり、面接です。
つまり、ESも面接も本質的には同じ目的——
“人物像の理解”のためのツールなのです。
だからこそ、就活生の立場で考えるなら「自分の人物像をどう伝えるか?」がカギになります。
その伝え方の解像度を上げることが、ESの作成においても、面接の準備においても、
共通する重要ポイントになります。
エントリーシートはプレゼン資料|ESの完成度が面接の土台を作る
実際の面接では、次のように質問内容を2つに分けることができます:
このうち、エントリーシートに基づく質問は特に多く、そして重要視されやすい領域です。
だからこそ、エントリーシートをしっかり作り込んでおくことが、そのまま面接対策にも直結します。
ここでのポイントは、「エントリーシート=プレゼン資料」として捉えること。
書き出すことで自分の考えが見えてくるのはもちろん、それを誰が見ても分かる形に構造化することで、
伝わり方が格段に変わります。
論理的に整理されたエントリーシートは、面接官にも理解されやすくなるだけでなく、
自分自身も言語化しやすくなるのです。
さらに言えば、エントリーシートは“書いて終わり”ではなく、“使いながら進化させるもの”。
面接練習を通じて「伝わりにくかった点」や「もっと良い言い回し」を見つけたら、
それをどんどん反映していきましょう。
この“運用型”の視点を持てると、エントリーシートの質も面接の質も、
同時にブラッシュアップされていきますよ。
後ほど、このことについてさらに詳しく解説します。
面接官にとってのエントリーシート|面接はビジネスの場
では次に、面接官の視点からエントリーシートを見てみましょう。
実は、面接とはビジネスの現場でいう“商談”にあたります。
そして、エントリーシートはその商談に向けた「事前資料」。
この感覚を持てるようになると、エントリーシートで何を目指すべきかが明確になります。
足切りのためのペーパーテスト?|面接に呼ぶかどうかの判断軸
「エントリーシートって、結局は足切りのためにあるんでしょ?」
そんなふうに考える人も多いと思います。
確かに、企業によってはエントリーシートを一次選考として扱っており、
多くの場合、内容によって面接に呼ぶかどうかを判断されます。
そういう意味では、“面接にたどり着くための通行証”という側面は間違っていません。
企業側からすれば、採用活動にかけられる時間や人手は限られています。
だからこそ、「この人は明らかにうちとは合わないかも」と感じた場合、
面接に呼ばずに選考を終了するのは当然の判断です。
でも、ここで大事なのは――
それだけがエントリーシートの役割ではないということです。
エントリーシートは会議のアジェンダ|事前に就活生のことを知るための資料
ビジネスの会議では「アジェンダ(議題表)」がよく使われます。
参加者が事前に目を通すことで、会議の論点を把握し、
考えを整理できるようにするためです。
同じように、面接官にとってのエントリーシートは“アジェンダ”のようなもの。
面接当日、初対面の就活生を相手に限られた時間で会話を深めるためには、
事前にエントリーシートを読んでおくことが非常に重要です。
そこに書かれた内容をもとに、
「どんな強みを持った人だろう?」「どこを深掘りすべきか?」と考えておくことで、
面接の質を高める準備ができるのです。
良いエントリーシートほど良い人材?|面接の質を高めるポイント
もうひとつ、面接官の視点で見たエントリーシートの価値があります。
それが、「面接の会話の深さを決める」という点です。
人と話をするとき、情報が多ければ多いほど、会話は深く具体的になります。
これは面接でも同じ。
面接官にとっても同じで、内容の薄いエントリーシートでは質問が表面的になりがちです。
逆に、しっかり作り込まれたエントリーシートなら、
「この経験、もう少し詳しく聞いてみよう」
「この考え方って、うちの仕事にどう活かせそうかな?」
といった具体的な問いが生まれやすくなります。
つまり、良いエントリーシートは、面接の“質”も引き上げてくれるのです。
ここまで読んで、
「なんでエントリーシートに書いた内容をまた面接で聞かれるんだろう?」
という疑問が少しずつ解消されてきたのではないでしょうか。
その答えはシンプルです。
面接はエントリーシートを“土台”に組み立てられているから。
内容が同じになるのではなく、むしろ、面接はその続きを深める場なのです。
次の章では、この“繋がり”をどう意識しながらエントリーシートを設計すれば良いのかを、
具体的に掘り下げていきます。
エントリーシートを設計する|面接を見据えた書き方のポイント
ここまで、就活生・面接官それぞれの視点から、エントリーシートの目的を整理してきました。
この章ではいよいよそれらを踏まえ、面接までを見据えたエントリーシート設計」について解説します。
なんとなく書くのではなく、使われ方を理解したうえで“設計する”という意識を持てば、
エントリーシートの見え方も、内容も、きっと一段階変わるはずです。
エントリーシートの目的達成|人物像を解像度高く伝える
改めて整理すると、エントリーシートの最も大きな目的は、
「自分という人物像を、面接官に伝えること」です。
そのために必要なのは、自分の人物像を“解像度高く”描くこと。
ぼんやりとした印象ではなく、
「その人らしさ」が具体的に伝わるレベルまで情報を磨くことが求められます。
そして、そのカギとなるのが「具体的に書く」ことです。
実際の作成方法や書き方のコツについては、以下の記事でより詳しく解説しています▼
書き方がわからない、困っている、という方は参考にして書いてみましょう。

ただし、すべてを詰め込む必要はありません。
面接では、エントリーシートに書ききれなかった部分を自分の言葉で補足することができます。
だからこそ、エントリーシートでは
「伝えるべきことを見極めて、書く・削るのバランスを取る」という視点が重要になります。
具体的に書くべきところは掘り下げて描きつつ、
面接で広げられる部分はあえて“余白”として戦略的に残しておく。
そんな設計的な判断が、面接との繋がりを意識したエントリーシートには欠かせないのです。
質問の余地を残す|面接官が質問したくなるフックを作る
エントリーシートを設計するうえで、もう一つ重要なのが
「質問されることを前提に組み立てる」という視点です。
面接では、面接官の質問によって会話が深まり、人物理解も進みます。
だからこそ、エントリーシートの段階で「もっと聞いてみたい」と思わせるフックを作っておくことで、
面接の質をぐっと高めることができます。
具体的に質問についても考えてみましょう。
質問を深めるために使われるオープンクエスチョン(開かれた質問)は5W1Hで考えるのが基本。
エントリーシートの作成段階では、特にHowの部分を作りこんで具体的に書くことで、
解像度を上げるように努めましょう。プロセスの描写が、人物像を立体的にしてくれます。
その上で「どうしてそう考えたのか?」や「具体的にやった方法をもう少し詳しく教えて」といった
質問に答えられるように練習しておきましょう。
論理的整合性を保つ|項目ごとのロジックと全体最適
エントリーシートは、言ってしまえば“ビジネス文書の一種”です。
そのため、論理的な整合性は非常に大切な要素です。
論理が破綻していると、面接官は内容を理解しきれず、疑問を持ちます。
そしてそれは往々にして、就活生自身もうまく言葉にできていない証拠だったりします。
結果的に、面接では「伝える」よりも「突っ込まれる」展開になり、
焦り・沈黙・自滅——といった展開を招いてしまうことも。
特に注意すべきは、「エントリーシート全体としての一貫性=全体最適」です。
このように、それぞれの主張が成立していても、全体で見たときに矛盾がないか?を
チェックする視点が必要です。
具体的には、以下のようなサイクルで確認しましょう:
この“ロジックの精度”は、面接でのやり取りにも大きな影響を与えます。
以上、これらのポイントはすべて、実は面接官の「負荷を下げる」構造にもなっています。
就活生が自分で話しづらい内容は、面接官にとっても聞きづらい。
理解しづらいエントリーシートは質問もしづらい。
結局、伝えたいはずの魅力が伝わらずに終わってしまう可能性があるのです。
だからこそ、どんな内容・書き方なら相手が負担なく対応できるか?を設計の視点に置いてみましょう。
それが、あなたのエントリーシートを“読むに値する”ものにし、
面接という舞台で本来の魅力を最大限に引き出す助けになります。
面接ではエントリーシート通りに答える?|内容の伝え方メソッド
ここからは、実際の面接を想定して、エントリーシートの“使い方”を説明します。
多くの面接では、エントリーシートに記載した
などをもとに質問されます。
理由はすでに解説した通りですが、いざ面接本番となると、
「エントリーシート通りに話すべき?」「違うことを言ってもいいの?」と迷ってしまう人も多いはず。
この章では、エントリーシートの内容を“どう面接で伝えるか”という視点から、整理していきます。
面接で話す時の内容|エントリーシートは”軸”になる
これまで繰り返し説明してきた通り、エントリーシートと面接はつながっています。
したがって、面接ではまず「エントリーシートに沿って話す」のが基本方針になります。
エントリーシートは、面接に向けての“根回し資料”のようなもの。
面接では、その方向性を裏切らずに、むしろ補強するように話すべきなのです。
そしてこれは、社会に出たあとにも通じる考え方です。
仕事においても「事前に伝えておくこと(根回し)」と「本番の場での対応」の一貫性はとても大切。
就活の段階から、こうした感覚を養っておくのは大きな財産になります。
面接でのアレンジはOK?|エントリーシートは台本じゃない
そうなると「じゃあ、面接ではエントリーシートをそのまま覚えて話せばいいの?」
と思うかもしれません。でも、そうではありません。
面接で大切なのは「方針に沿って、内容をより具体的に伝えること」です。
つまり、アレンジや補足はむしろ必須。
エントリーシートを“棒読み”するほうが、かえって評価は下がってしまいます。
文字では伝えきれなかった描写やエピソードを自分の言葉で補足したり、
声のトーンや話し方で強調したりといったアレンジは、むしろ面接ならではの表現手段。
「同じことを言う」のではなく「同じ主張を、より伝わる形で届ける」
これが面接における“エントリーシートの使い方”です。
面接で本当に伝えるべきこと|エピソードではなく”本旨”を届けよう
ではさらに突き詰めて
という疑問にも答えていきましょう。
結論から言えば、エピソードを変えるのはアリです。
なぜなら、面接官が本当に見ているのは「何をしてきたか」ではなく「どんな人か」だからです。
仮に珍しい体験をしていても、それ自体が評価に直結することはほとんどありません。
重要なのは、そこから何が読み取れるか(=本旨)なのです。
例:本旨とエピソードの関係
面接で同じ話をしてもOKですが、別の体験(部活、研究、家族との関係など)で同じ
「粘り強さ」を示せるなら、それでも問題ありません。
むしろ、複数の体験に共通していることとして「粘り強さ」が浮き彫りになれば、
説得力はさらに高まります。
つまり、大事なのは“何を伝えるか”であり、“何を話すか”ではないということ。
エントリーシートに書いた内容と異なるエピソードでも、
「同じ軸・同じ本旨」を伝えていれば、まったく問題ありません。
この視点を持っておくことで、面接本番での柔軟な対応力にもつながります。
以上、ここではエントリーシートと面接の“つながり方”に着目し、
実際の面接でどう伝えるか?という視点から考え方を整理してきました。
次の最終章では、ここまでの内容を踏まえて、
エントリーシートをどうブラッシュアップしていくか?について解説します。
エントリーシートは修正が前提|通るエントリーシートに仕上げるコツ
最後に、ここまでの内容を踏まえて、
“通る”エントリーシートの仕上げ方について整理しておきましょう。
ここで言う「通る」とは、面接に呼ばれることだけでなく、
その後の面接でも“伝わる”内容として活用できるようにすることを意味します。
エントリーシートは出して終わりではない|修正こそ合格へのカギ
就活のピーク時は、どうしてもスケジュールに追われがち。
エントリーシートを提出したらすぐ次の企業の準備へ、という人も多いでしょう。
しかし、それはとてももったいない。
なぜなら、多くの企業のエントリーシートには共通した設問があるからです。
そして、面接ではその内容が繰り返し問われます。
つまり、エントリーシートは一度書いて終わりではなく、
使い回しながら磨き上げていく“土台”なのです。
企業からの連絡を待つ間も提出したまま放置するのではなく、
ブラッシュアップしていくことで精度が上がっていきます。
ブラッシュアップの仕方|面接を軸にズレを埋めていく
では、具体的にどうやって修正すればいいのか?
その答えは、「面接でどう伝わるか?」という視点にあります。
エントリーシートはもともと面接官に読んでもらうための資料です。
つまり、本来は“相手に合わせて調整する”のが正しい使い方。
でも、書類選考で落ちた場合、どこが悪かったのかが分かりませんよね。
そこで活用したいのが、面接本番の経験や大学の面接練習などのフィードバック。
自分では十分に伝わると思っていても相手には伝わらない、
あるいは相手の知りたいことに答えられていないことがしばしばあります。
実践を通して、こうしたズレを見える化し、修正していきましょう。
就活レベルに応じたブラッシュアップ|3段階で整理するレベル別対応
エントリーシートと面接力を高めるには、自分が今どのレベルにいるのかを知っておくと効率的です。
以下のように3段階で整理してみましょう。
レベル①:読んで理解できるレベル(伝わる構成・内容)
・論理が破綻しておらず、具体的な内容で構成されているか?
・第三者が読んでも意味がわかるか?
レベル②:よどみなく主張を話せるレベル(言語化力)
・面接で、エントリーシートをベースにスムーズに答えられるか?
・自分の言葉で再現できるか?
レベル③:質問にも自然に応えられるレベル(対話力)
・予想外の質問にも、自分の考えで答えられるか?
・会話のキャッチボールとして成立しているか?
このように、練習→発見→修正のループを繰り返していくことで、
エントリーシートはどんどん“伝わる文章”へと磨かれていきます。
以上、この章では、エントリーシートの“修正・運用”という視点から、
面接まで見据えた完成度の高め方をお伝えしました。
面接は“原稿を読む場”ではなく、目の前の相手との「会話」です。
そして、伝えるという行為の本質は、相手にどう届くか、を常に意識することにあります。
だからこそ、他人の意見をもらうことを恐れず、活用していく姿勢が大切です。
最初はうまくいかなくて当たり前。
恥ずかしさを越えて、“協力を仰げる人”が多い人ほど、強い就活生になれます。
そして、そのように人との対話を通して“使いながら磨かれたエントリーシート”こそが、
あなたの強みを支える最強の武器になるのです。
まとめ|磨き上げたエントリーシートで面接を突破しよう
ここまでエントリーシートと面接の繋がりを解説しながら、
面接にエントリーシートを活かす具体的な方法を解説してきました。
この記事の内容を整理すると以下の通りです。
・エントリーシートと面接は「人物像」を伝えるための一体構造
・エントリーシートは“プレゼン資料”、面接は“対話の場”
・面接で問われるのは“エピソード”ではなく“本質”
・完成度は練習と修正で高めていく、“使いながら磨く”姿勢がカギ
・他人の視点を借りることで、伝わるエントリーシートに進化する
ここで学んだ「設計」「伝達」「修正」のサイクルを、実際の面接や練習に活かして、
“使える”エントリーシートを手に入れてください。
そして、自信をもって志望企業に臨みましょう。
以下の記事では、薬学生の就活における薬学部での経験の活かし方について詳しく解説しています。
エントリーシートを書くための記事ですが、面接を控えた段階で再度確認しておきましょう▼

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