薬剤師・花炎の自己紹介|なぜ僕が薬剤師業界に挑み続けるのか

こんにちは、Formulø(『フォーミュロ』と読みます)を運営しています。
薬剤師の花炎(はなほむら)です。

皆さんは仕事にどんな想いをもっていますか?

若手薬剤師の方なら、つらいこともあるかもしれません。でも、上司に褒められた、
患者さんにありがとうと言われた、人の役に立てた…

些細かもしれないけど、そんな日常での喜びが心の支えになっているかもしれませんね。

また学生の方なら、まだ見ぬ仕事に色んな理想があると思います。やりがいや安定した収入、
働き方への希望など…大切にしたいものは人それぞれあると思います。

Formuløはそうした皆さんに向けて、薬剤師の業界のことを伝えるメディアです。

本記事では、そんなFormuløを運営する僕は一体どんな人間なのか、
これまでにやってきたことと、Formuløで伝えていきたいことを紹介します。

なお、Formuløの制作にかける想いは以下の記事で紹介していますので、
こちらも是非ご覧ください。

僕の仕事観のルーツ|大学での医薬品開発

2025年現在、僕は大学を卒業してから7年が経過しました。私立大学の薬学部を卒業した後、
とある大学に新卒スタッフとして入職しました。
といっても自分で研究をしていたのではありません。

大学の先生たちが研究して見つけ出した医薬品の種を開発する仕事です。
医薬品が世間に出るまでに行う治験のルールを決めたり、プロジェクトのスケジュールを
管理したり、研究資金を集めたり…
とにかく薬を実用化するまでの全面的なサポートを行う仕事でした。

薬学部では、知識としては開発のこともうっすら習います。だけど多分覚えてる人は誰もいないと思う。それくらい浅くしか習わないので、薬剤師の多くはどうやって薬ができるのか知らずに社会に出ます。

でもだからこそ、僕は臨床に行く前に、研究と臨床の間にある世界を知りたいと思ってこの業界を最初の進路に選んだんです。

知ってますか?薬が世に出るまでには、莫大な資金気が遠くなるほど長い時間を要します。
たくさんの人が関わり、それぞれの立場で頭を捻って、できた結晶が医薬品なんです。

それでも。科学には限界があります。ここまで進歩した世の中でも、薬がなくて治せない疾患はたくさんあります。

そんな疾患に対する医療ニーズのことをアンメットメディカルニーズと呼びます。

最近では製薬会社もアンメットメディカルニーズを満たす医薬品の開発を目指していますが、
開発にはお金がかかるからこそ、売れない薬は作れません。それもまた世の真実です。

このように売上を優先せざるを得ない製薬会社に対し、大学は純粋な探求心と社会的使命を
もって、利益に繋がりにくい領域にも取り組める場
でもあります。

それゆえに、そうしたニーズに対しては、大学こそが知恵を絞って治療法を探していくのです。

薬学の魅力と薬局への誘い|薬剤師の新たな形を目指す

そんな世界で社会人としての基礎を叩き込まれてきた僕ですが、今は薬局で薬剤師として働いています。正直、なんで??と思うことでしょう。

薬が「どのように作られるのか」を学びたい一方で「どのように使われるか」にも目を向けたいという気持ちがずっと心の奥底にあったんです。

学生の頃、進路に迷っていた僕は、実習に行って薬局に興味を持ちました。

大学で学んだ知識が臨床でどのように活きているのか、そして、薬局の仕事がどれほど
一般に浸透していないのか。

そんな実情を知って、いつかは薬局に行って業界構造を変えたいと思うようになりました。

色々知った今では、なかなか変えることが難しいことも多いと知りましたが(笑)

それでも、薬局に移ってからというもの、これまでにない薬剤師の価値を求めて挑戦を続けてきました。

薬剤師業界に求められる価値|社会の変化に適応する

今、薬剤師業界は価値を問われる時代になってきています。

僕が学生だったつい10年ほど前と比べても薬剤師業界は本当に変わってきたと思います。

色んなメディアやインフルエンサーの活動で認知が広まってきましたし、薬の供給不足の話題でニュースに薬局が取り上げられることもありました。

認知が高まったからこそ、社会のニーズに合わせた価値を提供できなければなりません。

社会が変化していく中で医療に求められることも変わってきています。

少子高齢化、経済の停滞、健康保険の破綻、AIの台頭や医療技術の進歩など…

いつまでも「袋詰めしてるだけ」の薬の小売店ではいられません。

もちろん、人によってニーズが異なるのは大前提です。必要ない人に、必要以上に押し売りする必要は全くないと僕も思う。

でも、治療に課題を抱えた患者さんたちに対して、一つも貢献できないようなら医療者としては失格です。今すぐどうにかできなくても考え続ける。それがプロってもんでしょう。

生き方を問い直す|挑戦と伝えたいこと

僕は5年間薬局を経験したあと独立し、現在はフリーランスとして薬局を支援するお仕事をしています。独立した理由は、自分の価値を見つめ直したいと思ったから。それは、自分の力を試す挑戦という意味でもあります。

独立する前に勤めていた薬局では、2店舗で薬局長を経験しました。その間に自分で研究を立ち上げて2度の学会発表。その他、地域薬剤師会のプロジェクトにも参画していました。

このFormuløもそう。ゼロから立ち上げたばかりでどれだけの方に伝わるのかもまだわかりませんが、少しでも自分の知っていることを次の世代に渡せればという想いで始めました。

これは全て、薬剤師としての自分の生き方を問い直す挑戦なんです。

この挑戦をもって目指すのは、薬剤師としてのひとつの”完成形”

僕と同じように進路に迷う人たちのモデルケースになれれば嬉しいです。

終わりに

今回は自己紹介として自分の経歴とこれまでの想いについて書いてきました。

人には、人と関わることでしか成長できない部分があると思います。そして、ネットが発達した現在、それは必ずしも身近な人である必要はないんじゃないかと思っています。

僕が書いたこのFormuløが、一人でも多くの人にとって意味のあるものになれば、これほど嬉しいことはありません。

今後も皆さんの役に立てるような記事を書いていきたいと思っていますので、興味のある方は是非読んでみてくださいね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

ご縁があればまた別の記事でお会いしましょう。

>『Formulø』—それは次世代の薬剤師たちに向けた キャリアの処方箋

『Formulø』—それは次世代の薬剤師たちに向けた キャリアの処方箋

由来となったのは、薬学において処方のエッセンスを意味する『Formula』という言葉。 コロナ禍で急速に進んだオンライン化、AIをはじめ、日々進歩するテクノロジーの数々。社会全体が目まぐるしく変化する中で、薬剤師もまた、これまでと同じではいられない。 そんな時代だ。未来の薬剤師を目指す学生や若手薬剤師たちが、見えない将来に不安を感じるのも無理はない。 ーこれから薬剤師を目指すのは間違い?薬学部を目指すのはやめた方がいい? ー薬学部に入ったけど、この先どう進めばいい? ー薬剤師になったけど、将来に希望はあるのか? そんな不安な時代だからこそ、今こそ”処方箋”が必要だ。 『Formulø』は、そんなあなたの疑問に答えるメディア。 現場で働く薬剤師のリアルな声と、これからの薬剤師像を、一緒に見つけていかないか?

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