【薬局実習】知識不足で服薬指導が怖い!|はじめての投薬と心構え

服薬指導は、薬局実習で体験する業務の中でもメインディッシュです。

これから服薬指導を行う予定の薬学生の皆さんは、期待に胸を膨らませていることでしょう。

しかし一方で、こんな不安もあるはずです。

「服薬指導、楽しみだけど緊張する。うまくできるのかな…?」
「知識が全然ない。こんな状態で服薬指導できるのかな…?」

こうした不安は、多くの学生が感じるものです。
そしてその原因は、一見すると“知識不足”にあるように思えます。

しかし実際には、その不安の多くは知識とは別のところにあります。

この記事では、服薬指導を始める前にどのような準備をしておくべきかを整理しながら、
実習における服薬指導の本質について解説していきます。

服薬指導に不安を感じている方は、ぜひ最後まで読んで、はじめての投薬に備えてみてください。

目次

知識不足の薬局実習|自分はどのくらいヤバイ?

この記事を読んでいるあなたは、おそらく今の時点で、知識不足に悩まされているのではないでしょうか。

まずはこの章で、自分がどのくらい”ヤバイ”のかを確認していきましょう。

知識不足に対する不安|ほとんどの学生は同じレベル

「薬剤師の先生に聞かれても全く答えられない…」

CBTで必死で詰め込んだはずの知識も、現場に来る頃には意外と忘れているもので、
指摘されると不安になってしまいますよね。

もしかしたらこのまま服薬指導もできずに終わってしまうかも?と
さらなる不安も膨らんできているかもしれません。

しかし実はこれ、実習生にとって”あるある”の話です。

本当に優秀な一部の学生を除いて、基本的にはみんな知識は忘れています。

知識がないことに心無いひと言を添えてくる指導薬剤師も中にはいますが、
基本的にそういうものなので気にしなくて大丈夫です。

服薬指導に必要な知識レベルは?|どこまでいっても知識は不足する

不安になる必要がないと言われても、服薬指導を行うためにはやはり知識は必要。

そう考えると、服薬指導はできないのでは?と感じるかもしれません。

確かに基本となる知識は必要です。
しかし、そもそも服薬指導に入る前に完璧であろうとする必要はありません。

我々薬剤師でさえ、わからないことはたくさんあります。

知らない薬もたくさんありますし、患者さんからの質問は食品や化粧品、
市販の薬など多岐に渡ります。

内容も組み合わせの良し悪しだけでなく、使い方や困っている状況への対応など
具体的なものから抽象的なものまで様々。

すべてに答えられる薬剤師はそうそういません。

どこまでいっても知識は不足するもの。分からなければ逐一調べれば良いのです。

それでもなお、知識不足が気になるという方は以下の記事をご覧ください。

知識不足を補うために実習をどう活用すべきか、
そして“何をすれば差がつくのか”まで含めて解説しています▼
  

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薬局実習の服薬指導でよく起きる問題|苦手を知って対策しよう

次に服薬指導の際に良く起きる問題について解説します。

服薬指導は多くの学生が期待する反面、最初は苦手意識を持ちやすいもの。
だからこそ、みんなが起こしやすい失敗を理解して対策しておきましょう。

緊張のしすぎでフリーズ|用意していたことも全部忘れる

最初に多いのは、やはり緊張のしすぎでフリーズしてしまうことです。

出ていく前に処方内容を確認し、説明する内容も確認。

いざ出陣、と向かったはいいものの、患者さんの前に立った瞬間、
言おうとしていたことが全部頭から抜けてしまうということはよくあります。

「患者さんを待たせている」
「早く話さなきゃ」
「あれ、何を言えばいいんだっけ?」

焦れば焦るほど言葉は出てこなくなり、さらに焦りが加速していきます。
こうした“はじめて”は、誰にでも起こりうるものです。

質問の意味がわからず終了|何を確認すればよいかもわからない

実習生から説明をさせていただく際には、患者さんに予め了承を取ると同時に、
よければ普段気になっていることなど質問してやってください、とお伝えしています。

本当に困っていることを聞いて下さる患者さんもいますし、中には親切心から、
ちょっと難しい質問をしてくださる患者さんもいます。

質問の内容によってはかなり高度で、実習生が何を聞かれているのかも分からず、
調べたり確認しようにも何を確認すればよいかもわからないパターンもあります。

薬剤師側からすると、正直とてもありがたいのですが、
実習生にとっては、良い経験になると同時に苦い思い出にもなるかもしれません。

説明に終始してしまう|患者が見えず傾聴できない

服薬指導は本来、患者さんが上手く治療を続けられるように、
サポートをする事を目的として行います。

そのため、一方的に説明するのではなく、患者さんの話を聞き出すことが重要です。

しかし、説明に終始してしまい患者さんの話を全然聞けていない、
というのも実習生の服薬指導ではよくある問題です。

ただ、最初は必要な説明をやりきることが大事なので、
回数を重ねていく中で徐々に意識していくようにすると良いでしょう。

以上、実習生の服薬指導でよく起きる問題を解説しました。
よく見てみるとわかるように、これらは全て知識不足と関係ないことで起きています。

つまり、実習生自身は「知識不足が服薬指導に影響する」と考えがちですが、
実際には知識とは関係ない部分で問題が起きることが多いということです。 

では、知識はそこまで必要ないのでしょうか?

次の章では、服薬指導にあたってどのくらい知識が必要なのか、
という点について解説していきます。

薬局実習の服薬指導に必要な知識|始める前に準備しておきたい3つのこと

では、服薬指導をはじめる前に、どのような知識が必要なのかを解説します。

薬局によってよく出る薬も異なるため、必要な知識も変わってきます。
そこでこの記事では、より実践的かつ俯瞰的な視点で解説します。

実習先でよく出る薬|事前の整理と説明直前の確認

まず実習先で頻繁に調剤する薬に絞って準備を進めましょう。

頻繫に調剤する薬は、門前の医師が処方する頻度が高い薬であり、
それだけよく使われる基本的な薬でもあります。

薬局としても、最初は薬の種類が1~2種類だけの基本的な処方から対応させるので、
よく出る薬を勉強しておくことでスムーズに服薬指導に移行できます。

服薬指導に入る前に、調剤をしているタイミングや、手が空いたタイミングで、
いくつかピックアップして薬の効果などを確認しておきましょう。

また、いざ服薬指導に入る際にも確認する癖をつけておくと安心です。
あれもこれもと調べる時間はないので、このときは簡単な確認にとどめましょう。

薬の詳細よりも大事なこと|患者にとって価値のある情報はなにか

薬の知識を確認する際には、

患者さんにとって「どんな情報を伝えると一番価値があるか?」
という視点を持つようにしましょう。

薬の知識をたくさん勉強してきて、
一番詳しいのは「薬の効果」などでしょう。

しかし、患者さんが求めているのは、
必ずしも「薬の効果の説明」では無いかもしれません。

例えば、高血圧の薬にはいくつか種類があります。
薬学生にとって、Ca受容体阻害薬なのか、ACE阻害薬なのかARBなのか?というのが
重要に感じられるかもしれません。

しかし、多くの患者さんにとってはその薬がどれか?というのは、あまり関係のない話。
患者さんが聞きたいのは、使うその薬が本人にとってどういう意味があるか、
どのように使うのか、注意点はあるのか?といった内容のはずです。

知識を披露する場ではなく、患者さんの目線で必要な情報を伝える場だと意識しましょう。

使い方に関わる知識は具体的に|イメージを共有できるように

薬の使い方に関わる知識は、より具体的に説明することが重要になります。

例えば、風邪薬。薬を渡す際に入れる薬袋には「1日3回毎食後」などと、
使用方法が記載されています。

もちろん最初はそれだけでも構いませんが、慣れてきたら少し工夫してみましょう。

風邪なら、もしかして高熱が出ていたら食事も摂れないかもしれませんし、
症状は時間の経過でどんどん変化していきます。

「食後でなければならないのか?」
「症状が治まっていたら飲まなくてもよいのか?」

など患者さんが使う場面と具体的にイメージして、
それに対する回答として知識を準備するようにするとよいでしょう。

以上、薬の種類を問わず必要となる知識について解説しました。

やってみると実は難しいと感じるかもしれません。
しかし、その難しさも含めて服薬指導を経験することが実習の目的となる「学び」です。

次章では、1件1件の服薬指導の経験をどのように学びに活かすのか?
という視点をお伝えします。

服薬指導を始めてから磨く知識|学びを次に活かすのが大事

ここまでの内容では、服薬指導を始める前に、
知識不足に不安を感じている方に向けて解説してきました。

しかし、実際に服薬指導を始めてみると、何件か経験するうちに徐々に慣れてくるものです。
一方で、知らないことは次々に出てきます。

そこでこの章では、経験をどのように学びに活かしていくのかという視点で、
服薬指導の考え方をお伝えします。

服薬指導をしてみてわかる知らないこと|問題に直面してからが学びの機会

服薬指導をしてみると、知らないこと・わからないことが次々に出てきます。

そのたびに調べる必要があり、負担に感じることもあるでしょう。
しかし、これこそが学びにおいて最も重要なポイントです。

事前に準備しておくことは大切ですが、
実際にその場に立ってみなければ分からないことは多くあります。

また、いつ使うかわからない知識はなかなか身につきません。
多くの人が試験直前になってから過去問で勉強するのも同じ理由です。

だからこそ、実際に直面した問題に対して必要な知識を調べる方が、
理解も定着もしやすくなります。

服薬指導を通して出てきた疑問を、その都度調べていくことが重要なのです。

実習における学び|患者さんの協力を糧にする

実習は、多くの患者さんの協力によって成り立っています。

そのことを意識しながら、1件1件の経験を次に活かしていきましょう。

同じような処方は繰り返し出てきます。その中で、説明がうまくいかなかった、
聞きたいことが聞けなかったなど、反省点が見えてくるはずです。

こうした反省は、次の服薬指導までに改善を試みることが大切です。

最終的に重要なのは、うまくできたかどうかではなく、
学びを意識して改善を試みたかどうか、どのようにアプローチしたかという点
です。

ただ漫然と服薬指導をこなすのではなく、協力してくれた患者さんの存在を踏まえ、
次につなげる姿勢を持ちましょう。

服薬指導で重要なこと|知識よりも大切なコミュニケーション

ここまで実習での服薬指導について解説してきました。

ここまで読んでいただいた方であれば、
実習における服薬指導では、知識よりも向き合う姿勢の方が重要である、
という点が見えてきたのではないでしょうか。

最後となるこの章では、コミュニケーションについてお話しします。

服薬指導はコミュニケーション|説明はただの一側面

服薬指導は「指導」と名前がつくため誤解されがちですが、
その本質は説明ではなく、患者さんの課題を解決することにあります。

多くの患者さんは、継続して薬を使っていたり、自分で調べたりしているため、
ある程度その薬について理解しています。

実習生の服薬指導では、既に知っている内容でも聞いてくださることがありますが、
本来患者さんが求めているのは、ただの説明ではありません。

では、何を意識すべきなのか。それがコミュニケーションです。

患者さんが何に困っていて、どのように考え、どんな疑問を持っているのか。
そうした生の声に向き合うことが、実習においてとても重要です。

誠実に向き合う姿勢が一番大事|間違えても問題ない

学生にとって服薬指導の際に大事なのは結局のところ、誠実に向き合う姿勢です。

患者さんも、学生の説明であることはわかっています。

上手く説明できなかったり、間違ったことを言っていたりしても、
誠実に向き合っている限り、大きな問題になることはほとんどありません。
 

しかしその分、まじめに取り組んでいなければ、
患者さんからも指導薬剤師からも、そして大学からも酷く信頼を損なうことになります。

責任を取る立場ではないからこそ、向き合い方だけは誠実に。

それが実習を良い学びの場にするための、最も重要なポイントです。 

まとめ|服薬指導を学びの機会として捉えよう

以上、服薬指導の本質について解説してきました。
この記事の内容は、整理すると以下の通りです。

・知識不足は多くの学生が感じる不安だが、服薬指導でつまずく原因は知識だけではない
・実際の現場では、緊張や対応力など“知識以外”の要素が大きく影響する
・必要なのは知識量よりも、使う場面を意識した準備と実践の中での学び
・服薬指導は説明ではなく、患者の課題を解決するコミュニケーションである
・最も重要なのは、経験を次に活かしながら誠実に向き合い続ける姿勢

実習は仕事ではなくあくまでも勉強です。
たくさんの患者さんに向き合って、たくさん学び、将来の肥やしにしてください。

それこそが、指導者や協力してくださった患者さんに報いることにつながります。
そして次は、その学びを活かして、より多くの人の役に立てるようになっていきましょう。

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